技法 technique

友禅

複雑で多彩な絵文様を描き出す伝統の染色技法。手描、型染めといった多彩な技法があり、華やかな振袖や留袖に多く用いられています。

友禅

型友禅
型友禅 模様の掘られた型紙を使って染めてゆく「型染め」。振袖一枚には約300〜400枚の型紙が使われます。
  • 星付け 星打ち 生地の両側に紙テープを貼りその上に型置きの基準となる「星」と呼ばれる目印をつけます。
  • 染め 染め 星に柄を彫った型を置き、星に型紙を合わせて色糊を生地に着色していきます。
  • 染め 染め 友禅板に一反の生地を両面に貼り加工します。片面を染めたら板を返して染めていきます。
  • 伏せ糊 伏せ糊 柄部分に伏糊で防染して、地色を染める引染めに回します。
手描友禅
手描き友禅 糸目型で模様の輪郭をつけてから、一色ずつ筆で彩色していきます。
  • 彩色 彩色 筆や刷毛で柄に合わせて色を挿していきます。
  • ぼかし ぼかし 花柄の場合などは、時間をかけて花びら一枚一枚を丁寧に色をぼかしていきます。
    花は花らしく立体感のある表現が必要です。

引染

刷毛を使って手作業で地色を染めていく技法。ムラなく均一に染める、濃淡をつけてグラデーションに染めるなど、いずれも経験と熟練を要する技法です。

引染

  • 生地張り 生地張り 細い竹の棒の両端に針のついた伸子(しんし)という道具で反物が弛まないようにしっかりと両端を延ばして張ります。
  • 刷毛染め 刷毛染め 引き染め用の五寸刷毛を使い、染めムラが無いように染めていきます。
  • ぼかし ぼかし 濃淡をつけてグラデーションに染めるには専用の刷毛を用います。
  • 刷毛 刷毛 ムラがでないよう刷毛の材質には鹿の毛が用いられています。

絞り

生地を糸で細かく縛って、染剤が染みるのを防ぐことで柄付けします。指先で1粒ずつ糸括りする技法もあり、時間と根気を要する精巧で熟練の手技です。

絞り

  • 括り(絞り) 括り(絞り) 下絵の輪郭をなぞって糸入れした生地を寄せて筒状にし、糸を巻き上げていきます。
  • 染色 染色 防染したい部分を糸で括って仕上げ、染液に浸して染めます。糸で括った部分が絵柄となって白く残ります。
  • 糸解き 糸解き 丁寧に布を引っ張るようにして括った糸を解き、生地から外していきます。

金彩

染め上がった生地に金や銀の箔、金粉等を接着加工する技法で、金加工とも呼ばれます。何十種類もの金を備えて様々な表現が可能で、付加価値の高い商品をつくりだしています。

金彩

金粉
金粉 柄に合わせて大小の金粉を振り落として加飾します。
金線
金線 柄の線や面を盛り上げて立体感のある柄を描きます。
金箔
金箔 美しい光沢の金箔を貼り付けて豪華に仕上げます。
金彩友禅
金彩友禅 金・銀の粉や箔を使った友禅で、型紙の鋭い手彫りの美しさ、金彩箔の輝き、金彩砂子の多彩な光が渾然一体となって、豪華に仕上ります。この技法を手がけているところは全国的にも数少なく、貴重な着物といえるでしょう。
  • 型置き 型置き 星に合わせて模様に合わせた型紙を置きます。型紙は色数と同じぐらいが必要とされ、数百枚に及ぶこともあります。
  • 摺り箔 摺り箔 型紙上から接着剤を駒ベラで摺り、文様を摺り箔粉で表現します。
  • 泥金描 泥金描 細かい泥金箔を糊で延ばして型紙に置き、刷毛で濃淡をつけていきます。